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相談相手の設計
10秒でわかる!要点まとめ
- 職場に本音で話せる相手が1人もいない正社員は50.8%(パーソル総合研究所)。相談相手がいないのは例外ではなく標準状態
- ディレクターは特に孤立しやすい。上長がディレクター職ではないチームでは、職種としての相談先が存在しない
- 「相談しない人」を責めても解決しない。相談が起きる構造を設計するのがディレクションの仕事
1. 概要
相談相手の設計とは、チームの中で「困ったときに聞ける状態」を、個人の性格や関係性に任せず仕組みとしてつくることを指します。
現場では「何かあったら相談してね」と言えば相談が来る、と考えられがちです。しかし実態は違います。パーソル総合研究所の調査では、正社員の50.8%が「職場に本音で話せる相手が1人もいない」と回答しています。離職を考えた20代社員の51.0%も「誰にも相談していなかった」という別調査もあります。
つまり、相談されないのは異常事態ではなく初期状態です。何もしなければ相談は起きません。
2. なぜ重要なのか
相談されないことのコストは、遅れて、大きく現れます。
| いつ | 何が起きるか |
|---|---|
| 相談が起きない間 | 問題は見えない。順調に見える |
| 表面化したとき | すでに手遅れ。工数・信頼の両方で回収コストが跳ね上がる |
| 繰り返すと | 「言っても仕方ない」が学習され、さらに相談されなくなる |
ディレクションは進行と合意形成が仕事なので、情報が上がってこない状態そのものが業務の失敗です。「相談してこなかった本人の問題」にすると、同じことが繰り返されます。
また、相談相手の不在は離職に直結します。上の調査が示すとおり、辞める判断は多くの場合、誰にも共有されないまま進みます。
3. 実務のポイント
相談が起きない4つの構造
現場のディレクターから実際に挙がる声を整理すると、原因は性格ではなく構造にあります。
| 構造 | 現場で起きていること |
|---|---|
| 職種の断絶 | 上長がディレクター職ではないチームがある。ディレクションの話ができる相手が組織図の上にいない |
| 人数の壁 | 人数が増えるほど「うまく話さなきゃ」というバイアスが働き、本当に困っていることほど言えなくなる |
| 発言の強制 | 場に出ると意見を求められる。それがプレッシャーになり、参加自体をためらう |
| 準備の負荷 | 「勉強会」という形式にすると事前準備が要る感じがして、足が重くなる |
打ち手
- 少人数から始める。 意思決定やアイデア出しの適正人数は4〜5名(最大7名)と言われます。本音が要る場では、人数を増やさないこと自体が施策になります
- 発言を強制しない。 「わからないですね」「聞いてませんでした」と言える場にする。プレッシャーで鍛える場と、本音が出る場は別物です
- テーマを決めすぎない。 テーマがあると準備が要ると感じさせます。一方でテーマがゼロだと目的が見えません。幅の広い抽象的なテーマが落としどころになります
- ささいなことを対象にする。 「今週あったいいこと」「これミスしたかも」程度の粒度にすると、出す側の心理的コストが下がります
- 参加者以外にログを残す。 参加した人しか知らないのはもったいない。チャット等に残すことで、場に出ていない人にも届きます
社内で閉じない選択肢
構造上、社内に相談先をつくれない場合があります。一社の中では解けない問題です。その場合は、社外のコミュニティや業界横断の場に相談先を持つことが現実的な解になります。
4. スキルアップのヒント
- チームメンバーに「最近、相談しやすい人はいる?」とさりげなく聞いてみる。名前が出てこないなら、それが現在地です
- 自分自身の相談先を数えてみる。社内・社外それぞれで名前が挙がるかを確認します
- 1on1しか相談の場がない状態になっていないか点検する。1on1は上下関係を含むため、そこだけに依存すると出せない話が生まれます
関連
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- 出典: パーソル総合研究所「職場での本音の会話に関する調査」ほか
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