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検収・請求・契約不適合責任
10秒でわかる!要点まとめ
- 「公開したら終わり」ではない。検収が通って、入金されて、初めて仕事は完了
- 検収の基準は、着手前に決める。終わってから決めると永遠に終わらない
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納品後の不具合対応には期限がある。「いつまで無償で直すか」を契約書で決めておく
1. 概要:プロジェクトの「出口」を設計する
検収とは、納品された成果物が契約で定めた内容を満たしているかをクライアントが確認し、受け入れる手続きです。検収が完了すると請求が発生し、代金が支払われます。そして納品後に契約内容と異なる不具合が見つかった場合の責任が、契約不適合責任(2020年の民法改正以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていたもの)です。 ディレクターは制作の入口(企画・見積もり)だけでなく、この出口までを設計する必要があります。出口が曖昧なプロジェクトは、終わったのに終わらないという状態になります。
2. なぜ重要なのか:終わらない案件が、会社の体力を奪う
「デザインの好みが合わないのでまだ検収できない」「もう少し直してから請求してほしい」——検収基準を決めていないと、こうした申し出を断る根拠がありません。その間、売上は立たず、担当者の工数だけが消えていきます。会社にとっては、赤字案件よりも終わらない案件のほうが厄介です。 また、納品後の不具合対応も同じです。「1年経ってから、当時の仕様の不備を無償で直せと言われた」といった事態を防ぐには、責任の範囲と期間をあらかじめ文書で定めておくしかありません。
3. 実務のポイント:出口で押さえる4点
- 検収基準を着手前に決める:「要件定義書に記載された全機能が、指定環境で仕様どおり動作すること」のように、主観が入らない書き方にします。「デザインに満足すること」は基準になりません。
- 検収期間を定める:「納品後10営業日以内に検収の可否を通知する。期間内に通知がない場合は検収完了とみなす」といった条項を契約書に入れておくと、無回答による塩漬けを防げます。
- 請求のタイミングを分ける:数か月にわたる案件では、着手金・中間金・完了金と分割します。キャッシュフローを守ると同時に、途中で頓挫したときの損失も抑えられます。
- 契約不適合責任の範囲と期間を明記する:「契約内容との不一致(バグ等)は納品後〇か月間、無償で修正する。ただし、仕様変更や運用中に追加された要望は対象外」といった形で、無償対応と有償対応の線を引きます。
4. スキルアップのヒント:自社の契約書を一度、通しで読む
多くのディレクターは、自社が使っている業務委託契約書や制作請負契約書を最後まで読んだことがありません。一度、検収・支払い・契約不適合責任・知的財産権の4条項だけでも読んでみてください。「自分が現場で口約束していることが、契約書と食い違っている」という発見が、たいてい1つは出てきます。 不明点は法務担当や顧問弁護士に確認します。契約に詳しいディレクターは、営業と現場の両方から重宝されます。なお、外部パートナーに発注する側になる場合は、中小受託取引適正化法(旧・下請法)の支払期日ルールもあわせて確認してください。