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与件整理
10秒でわかる!要点まとめ
- 与件とは「こちらでは動かせない前提」。予算・期限・使える人手・すでに決まっている方針のこと
- 与件を確かめずに出した提案は、中身がどれだけ良くても通らない
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ただし「動かせない」と言われたものが本当に動かせないかは、必ず一度確かめる
1. 概要:決まっていることと、まだ決まっていないことを分ける
与件整理とは、案件を進めるうえで動かせない前提を洗い出し、何が確定していて、何が未確定で、何が誰にも分かっていないのかを仕分ける作業です。 与件には大きく4つあります。お金(予算とその出どころ)、時間(公開日とその理由)、人(誰が関わり、誰が手を動かすか)、方針(すでに社内で決まっていること)。この4つを押さえずに動き出すと、後から「それは無理」と言われて作業がまるごと戻ります。 提案の前にやる仕事であって、提案の一部ではありません。ここが済んでいないと、次の工程すべてが仮置きになります。
2. なぜ重要なのか:提案が没になる原因は、中身ではなく前提
提案が通らなかったときの理由を聞くと、「良い案だけど予算が合わない」「時期的に無理」がほとんどです。内容で負けているのではなく、前提を外している。 これは相手が意地悪をしているのではありません。予算や公開日は、たいてい先方の社内で先に決まっていて、担当者にも動かせないからです。そこを聞かずに理想の案を作ると、こちらの工数だけが消えます。 逆に、与件をきちんと押さえた提案は、内容が地味でも通ります。「その条件の中で、いちばん成果が出る形」を出しているからです。ディレクターの提案力は、発想の派手さではなく、制約の把握の正確さで決まります。
3. 実務のポイント:3つに仕分ける
- 確定・未確定・不明の3つに分ける:「予算300万」と聞いても、それが確定なのか希望なのかで打ち手が変わります。表にして、それぞれに「誰が言ったか」を書き添えます。出どころのない数字は、確定ではありません。
- 「動かせない」を一度だけ確かめる:公開日が無茶なとき、「なぜその日なのか」を聞きます。展示会に合わせているなら動きませんが、「なんとなく期末」なら1か月動くことがあります。理由を聞けば、動く与件と動かない与件が分かれます。
- 与件は変わる前提で書き残す:整理した内容は必ず文書にして相手に見せ、「この認識で合っていますか」と確認します。口頭で聞いただけの与件は、後から静かに変わります。
4. スキルアップのヒント:落ちた提案の理由を聞く
自分の提案が通らなかったとき、必ず理由を聞いてください。「予算が」「時期が」と返ってくるなら、それは与件整理の失敗です。そこを集めていくと、自分がどの種類の前提を聞き落としやすいかが見えてきます。 もう一つ有効なのが、先輩が最初の打ち合わせで何を聞いているかを記録することです。うまい人は雑談の形で与件を全部回収しています。質問の順番と言い回しをそのまま真似るのが、いちばん早い上達法です。