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引き継ぎ・プロジェクトの終わらせ方
10秒でわかる!要点まとめ
- 引き継ぎ資料の合格ラインは「自分がいなくても回るか」の一点
- 抜けるのはファイルの置き場ではなく「なぜそうなっているか」
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終わり方が雑な案件からは、次の相談が来ない
1. 概要:案件を、次の人が動かせる状態にして手放す
引き継ぎとは、担当していた案件を、別の担当者や運用チーム、あるいは発注元の社内担当に渡し、自分がいなくても回る状態にすることです。制作の完了と運用への移行、担当者の交代、契約終了に伴う返却など、発生する場面はいくつかあります。 渡すものは3種類あります。モノ(データ、ID、ドメイン、契約情報)、手順(更新のやり方、リリースの流れ、緊急時の連絡先)、そして経緯(なぜこの仕様なのか、何を試して何が駄目だったか)。このうち最初の2つは形にしやすく、3つ目がほぼ必ず抜けます。
2. なぜ重要なのか:終わり方が、次の仕事を決める
引き継ぎが雑だと、渡された側は毎回こちらに聞くことになります。契約は終わっているのに問い合わせだけ続き、答えても売上にならない。これは相手が悪いのではなく、渡し方の設計が抜けているだけです。 逆に、きれいに終わった案件は強い印象を残します。発注側から見ると、「この会社は最後まで面倒を見てくれた」という記憶になります。リニューアルの相談や、別部署の紹介は、ここから来ます。 制作の出来よりも終わり方のほうが記憶に残る、というのは実際によくあることです。 さらに実務上の理由として、ID・権限の返却漏れはセキュリティ事故になります。退任した担当者のアカウントが管理画面に残り続けるのは、よくある指摘事項です。
3. 実務のポイント:3つの束にして渡す
- モノの一覧を作る:ドメインの管理会社と更新期限、サーバーの契約、各種アカウントとその権限、素材の原本の場所、フォントやプラグインのライセンス。「誰の名義か」を必ず書きます。 制作会社名義のままだと、後で必ず揉めます。
- 手順は「やってもらいながら」渡す:手順書だけ送って終わりにしません。相手に実際に1回操作してもらい、詰まった箇所をその場で書き足します。書いた人にしか分からない手順書は、渡していないのと同じです。
- 経緯は決定ログをそのまま渡す:「なぜこの構成なのか」は、口頭では伝わりません。判断の記録を残していれば、それを添えるだけで済みます(→意思決定の記録)。残していない場合は、主要な仕様について3〜5行ずつ書き起こします。
- 終了時のあいさつを軽く扱わない:完了報告には、やったこと・残した課題・今後おすすめしたいことを1枚にまとめて添えます。次の提案の入口になります。
4. スキルアップのヒント:受け取る側を一度経験する
いちばん学べるのは、他人が作った引き継ぎ資料を受け取る側に回ることです。何が書かれていなくて困ったかを記録しておくと、自分が渡すときのチェックリストになります。困るのはたいてい、細かい手順ではなく「なぜ」の部分です。 もう一つ、担当を外れて3か月後に、その案件について質問が来るかどうかを見てください。質問が来るなら、引き継ぎのどこかが足りていません。来ないのが理想です。