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エスカレーション(引き取るか渡すか)
10秒でわかる!要点まとめ
- 抱え込みは優しさではなく事故。判断が遅れるほど、選べる手が減っていく
- 上げるかどうかの基準は「自分の権限で元に戻せるか」
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上げるときは「困っています」ではなく「A案かB案か、判断をください」の形にする
1. 概要:自分で引き取るか、上に渡すかを決める
エスカレーションとは、自分の権限や責任の範囲を超える事柄を、上位の判断者(上長、責任者、あるいは発注元の決裁者)に渡して判断を仰ぐことです。 ディレクターの日常は判断の連続ですが、すべてを自分で決めてよいわけではありません。 金額が動くもの、納期が動くもの、契約の範囲を超えるもの、法的リスクがあるもの。これらは自分で抱えた時点で事故になります。 逆に、なんでも上に上げるディレクターも信頼されません。「引き取るか、渡すか」を正しく仕分けられることが、この業務の中身です。
2. なぜ重要なのか:遅らせるほど、打てる手が減る
トラブルの報告が遅れて事態が悪化する構図は、どの現場でも同じです。理由もだいたい同じで、「自分でなんとかできると思った」か、「怒られたくなかった」のどちらかです。 しかし実際には、問題は時間とともに選択肢を失っていきます。公開1か月前なら仕様を削って間に合わせられたものが、1週間前には延期しか残っていません。早く上げれば「判断」で済んだものが、遅れると「謝罪」になります。 また、抱え込みは相手の時間も奪います。上長や責任者は、後から知らされるほど打てる手が少なくなり、しかも状況の把握からやり直すことになります。早い報告は、自分を守るためではなく、チーム全体の選択肢を守るためにあります。
3. 実務のポイント:基準を決めて、形を整える
- 上げる基準を先に決めておく:おすすめは「自分の権限で元に戻せるか」です。戻せないもの(お金が出ていく、期日が動く、公開済みのものが世に出た)は、迷わず上げます。戻せるものは自分で処理して、事後に共有すれば十分です。
- 「困っています」で終わらせない:上げるときは、状況・原因・選択肢・自分の推奨の4点をセットにします。「A案は費用が20万増えるが期日を守れる。B案は期日が2週間延びるが費用は変わらない。自分はA案を推します」の形です。判断者は判断だけすればよくなります。
- 悪い話ほど早く、短く:全容が分かっていなくても構いません。「まだ調査中ですが、公開日に間に合わない可能性が出ています」の一報を先に入れます。完璧な報告書を作っている時間が、いちばんの損失です。
- 上げた後は自分がボールを持ち続ける:渡したら終わりではありません。判断が返ってこなければ催促するのは、上げた側の仕事です。
4. スキルアップのヒント:上げなかった案件を振り返る
過去に「もっと早く言えばよかった」と思った案件を1つ思い出し、どの時点なら何ができたかを書き出してみてください。たいてい、2週間前なら5つの手があり、3日前には1つしかなかったことが分かります。この落差を一度言語化しておくと、次から手が早くなります。 また、上長に「どういう案件は事前に相談してほしいですか」と直接聞いてしまうのも確実です。基準は人によって違うので、想像するより聞いたほうが早く、外しません。