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クライアントの決裁構造(決裁・稟議)
10秒でわかる!要点まとめ
- 目の前にいる担当者は、たいてい「決められない人」だと思って動く
- 決裁は役職ではなく「金額と範囲」で決まる。1件50万までは部長、超えたら役員、という形
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稟議は時間がかかるのが普通。スケジュールに最初から日数として織り込む
1. 概要:誰が可否を出せるのかを、先に把握する
決裁とは、その金額・その範囲について最終的に可否を出すことです。稟議は、その決裁をもらうために書類を関係者に回して承認を集める社内手続きを指します。 ディレクターにとって重要なのは、発注側の社内で誰がどこまで決められるのかを、案件の早い段階でつかんでおくことです。窓口の担当者が熱心でも、その人に決裁権がなければ、話は必ずどこかで一度止まります。止まること自体は正常なので、問題は「止まる場所と、そこにかかる日数を知らないまま計画を立てること」です。
2. なぜ重要なのか:合意したはずの話が、社内で消える
「担当者さんはノリノリだったのに、1か月後に白紙になった」という経験は、ディレクターなら一度はあります。多くの場合、悪意はありません。担当者は決裁を通せると思っていたが、通らなかっただけです。 このとき問題になるのが、こちらの準備です。担当者が社内で説明するための材料(費用の内訳、効果の見込み、他社事例)を渡していなければ、担当者は自分の言葉だけで役員を説得することになります。通らないのは、担当者の力不足ではなく、こちらの弾切れです。 逆に、決裁構造を把握しているディレクターは、最初から「役員が見て納得する資料」を用意します。窓口の向こう側を想像できるかどうかが、受注率にそのまま出ます。
3. 実務のポイント:3つ聞いて、1つ用意する
- 金額のラインを聞く:「この規模ですと、御社では稟議が必要になりますか」と聞けば、たいてい教えてもらえます。失礼な質問ではありません。むしろ聞かれ慣れています。
- 回る人数と所要日数を聞く:「決裁までだいたいどれくらいかかりますか」。2週間なのか、月1回の役員会待ちで最大1か月なのかで、スケジュールが変わります。月次の会議体がボトルネックになっているケースが非常に多いです。
- 反対しそうな人がいるかを聞く:情報システム部門、法務、既存の取引先。誰が何を懸念するかが分かれば、先に手当てできます。
- 担当者用の「社内説明資料」を別に作る:提案書とは別に、1〜2枚の要約を渡します。費用・効果・リスク・比較した他案が入っていれば、そのまま稟議に添付できます。これがあるかないかで、通過率がはっきり変わります。
4. スキルアップのヒント:自社の稟議を一度自分で回してみる
いちばん効くのは、自分の会社で何か稟議を上げてみることです。ツールの導入でも書籍購入でも構いません。「どこで止まるか」「何を書けば早いか」を体で覚えられます。相手の担当者が何と戦っているかが分かるようになります。 また、失注した案件について「社内のどこで止まりましたか」と聞くのも有効です。答えてもらえることは多く、次の提案の作り方が変わります。金額なのか、時期なのか、比較対象なのか。止まった場所には毎回同じ癖が出ます。