目次 / ツール / 効率化
Figma(仕様の受け渡し)
10秒でわかる!要点まとめ
-
挙動は文章で書くな。プロトタイプで触らせたほうが速く、正確に伝わる
-
Dev Modeで数値が読めると、「これ何ピクセル?」の往復が消える
-
ただしFigmaは仕様書ではない。画面に出ない条件は別の場所に書く
1. 概要:デザインから、実装と検収へ渡す
Figmaには、画面遷移を線で繋いで動くデモを作る「プロトタイプ」と、要素の寸法・色・フォント・余白をコードとして読み取れる「Dev Mode(開発モード)」があります。
どちらもエンジニア向けの機能に見えますが、ディレクターが仕様を受け渡す局面でこそ効きます。
2. なぜ重要なのか:言葉で書いた挙動は、必ずズレる
「ここのボタンを押すとモーダルが出て、閉じると元の位置に戻る」。文章で書くと長くなり、そのわりに解釈が割れます。プロトタイプで実際に触ってもらえば、この説明はまるごと不要になります。
これは要件定義の質に直結します(049 要件定義、028 UI設計)。クライアントの合意を取る場面でも、静止画を見せて「いい感じですね」と言われたあとに揉めるより、動かして確認したほうが、期待値のズレが起きません。
Dev Modeについても同じです。要素をクリックするだけでサイズ・色・余白の数値が出るので、「これ何ピクセルですか」とデザイナーに聞く往復がなくなります(045 フロントエンドエンジニアとのコミュニケーション)。
3. 実務のポイント:Figmaに書けないものを見極める
-
プロトタイプは「主要導線だけ」:全画面を繋ごうとすると破綻します。合意を取りたい導線に絞ります。
-
状態を網羅する:正常系だけ作って渡すと、エラー時・空データ時・長文時の挙動が抜けます。崩れるのはたいていこの3つなので、フレームとして用意します。
-
Figmaは仕様書ではない:画面に現れない条件(バリデーションのルール、権限による出し分け、通知の送信条件、データの保持期間)は、Figmaには書けません。053 コーディング仕様書作成 や 049 要件定義 に必ず別途書きます。「Figmaを見てください」で済ませると、実装漏れになります。
-
どれが確定版かを示す:Dev Modeで「準備完了」の印を付けるなどして、実装してよいフレームを明示します。検討中のものが混ざったまま渡すのが、最も多い事故です。
-
検収の基準にする:確定したフレームは、そのまま検収時の照合対象になります(063 校正、020 検収・請求・契約不適合責任)。
4. スキルアップのヒント:自分でプロトタイプを組んでみる
デザイナーに頼む前に、ラフなワイヤーで自分でプロトタイプを組んでみてください。画面遷移を繋ぐ作業をすると、「この画面から戻る導線がない」といった穴が、驚くほど見つかります。
要件定義の段階でこれをやると、デザインに入る前に穴を潰せます。絵の美しさは要りません。繋がっていれば十分です。